幸せの定義──君と僕の宝物──

「オレ、ちゃんとした恋愛できないんだ。」

タクミの言葉に、ユウは首をかしげた。

「どういう事だ?」

「なんでだろうな…。オレはどうも、誰かをものすごく本気で好きな女の子が好きらしい。」

「それ、意味がわからないんだけど。」

「例えば…オレは、ユウの事を好きなあーちゃんが好きなんだよ。ユウといて幸せそうに笑ってるあーちゃんを見てると、幸せなんだ。」

「なんだそれ…?」

タクミはテーブルの上の小皿からナッツをつまみ上げ、口に放り込んだ。

「オレ、あーちゃんと初めて会った時さ…すぐに好きだって思った。あの時はあーちゃん、まだユウと付き合ってなかったから、今度こそホントにちゃんとした恋愛ができるかもって、思ったんだけどさ。」

「やっぱ、レナの事好きだったんだな。」

「でも結局、あーちゃんはユウしか見てなかったじゃん?あーちゃんがユウといて幸せなら、それでいいかなって。あーちゃんが笑ってくれるならオレも幸せだって、やっぱりオレは、オレでしかなかった。」

「でもタクミ、その後もずっとオレからレナ取ろうとしたじゃん。」

「あれは…ユウといてあーちゃんが幸せなら、それで良かったんだけど…ユウがあーちゃんに悲しそうな顔ばっかりさせるから。それならオレが幸せにしてあげたいと思っただけ。」

「なんか複雑だな…。」

ユウはグラスのビールを一口飲んでタバコに口をつけた。