幸せの定義──君と僕の宝物──

その頃、ユウはタクミと二人でバーにいた。

二人でお酒を飲むのは珍しい。

ユウがレナの見舞いを終え病院を出た後、タクミから一緒に飲まないかと、誘いの電話があった。

ユウは一度自宅に戻り車を置いて、バーでタクミと待ち合わせた。

バーのカウンター席に並んで座り、ユウはビール、タクミはモスコミュールをオーダーして乾杯した。

「あーちゃんの具合どう?」

「なんとか大丈夫そうだ。もうすぐ退院できるって。」

「その後、少ししたら出産か…。あーちゃん、いよいよママになるんだな。」

タクミは楽しそうに笑う。

「最近、なんかいろいろあったな。」

「そうだなぁ。あーちゃんが妊娠して、ハヤテが結婚して…トモが突然子持ちになって…。」

「リュウもいろいろあるらしい。」

「そうなんだ。リュウは自分の事、全然話さないからなぁ。」

グラスを傾けるタクミを見ながら、ユウはタバコに火をつけた。

「タクミには浮いた話、ないのか?」

「ないね。オレは恋愛には向いてないから。」

「リュウもそんな事言ってたな。」

流れて行く煙を見ながら、タクミは微かに笑みを浮かべた。