幸せの定義──君と僕の宝物──

しばらくすると、サービスエリアで買った缶コーヒーを飲みながら、トモが何気なくリュウに尋ねる。

「そう言えば、ハル元気か?」

突然トモの口からハルの名前が出てきて、リュウは驚いてむせそうになった。

「げっ…元気だけど…なんだ、急に?」

「いや、なんとなく。しばらく顔見てねぇなぁって思ってさ。今、高1だっけ?大人っぽくなってんだろうな。オレが前に会ったの、ハルが中3になってすぐだったから。」

「そうか…。それならいいんだけどな。」

リュウの不可解な返事に、トモは一瞬首をかしげてから、ニヤリと笑った。

(なんだ?リュウのやつ…もしかして…。)

さっきのファミレスでの反応と言い、ハルの名前が出た時の反応と言い、リュウはわかりやすいとトモは笑いをこらえながらハンドルを握った。


いつも“まともな恋愛をしていない”と言うリュウは、誰かを本気で好きになる事にも、誰かから愛される事にも慣れていなくて、自分の気持ちも相手との接し方も、どうしていいのかわからないのだろう。

小さい頃からかわいがっていたハルがだんだん大人になってきて、リュウが好きだとずっと言い続けたハルの気持ちが、どんどん現実的になって来ているのかも知れないとトモは思った。