幸せの定義──君と僕の宝物──

リュウが心の中で必死に否定していると、リュウのポケットの中でスマホの着信音が鳴った。

リュウはスマホの画面を見て、首をかしげた。

「あれ…珍しい、姉貴からだ。」

「電話出ろよ。急用かも。」

リュウは通話ボタンを押してルリカからの電話に出た。

「もしもし。」

「あ、リュウト…今少しだけいい?」

「ああ…大丈夫だけど…何?」

ルリカは会って話したい事があるから、近いうちに帰れないかと言った。

翌日から2連休で特に予定のなかったリュウが明日帰ると言うと、それを聞いていたトモが、じゃあ今夜のうちに一緒に帰るか、と言った。

「トモが今夜のうちに実家に帰るから、ついでに乗ってけって。だから今夜遅くなるけど帰る事にするわ。話は明日でいいか?」

「わかった。じゃあそうして。」

電話を切ったリュウは、また首をかしげた。

(会って話したい事ってなんだ?)




リュウは一度自宅へ戻って着替えなどの持ち物を準備した後、迎えに来たトモの車で地元に帰った。

車の中で他愛もない話をしていると、トモがまたさっきのファミレスでの話をし始めた。

「それで…リュウの好きな子って、どんな子なんだ?かわいいのか?」

「オマエ…意外としつけーな…。違うって言ってんだろ。」

「ふーん…。リュウは誰かを好きになった時、人に聞かれても最初は絶対認めねぇもんな。」

「なんだそれ…。」

「自覚するのが遅いんだな、リュウは。めちゃくちゃ恋に臆病だ。」

「はぁ?わけわかんねぇ事言うなって。」

トモに冷やかされている自分がカッコ悪くて、リュウは昔とは立場が逆になったとバツが悪そうな顔をした。