幸せの定義──君と僕の宝物──

翌日。

雑誌の写真撮影を終えて控え室でタバコを吸っていたリュウは、後ろから肩を叩かれ振り返った。

「お疲れ。」

「トモか…。お疲れ。」

トモはリュウのそばに座り、タバコに火をつけた。

「なぁリュウ…。飯でも行くか。」

「ああ…。行くか。」

あのバーで話した夜から、お互いになんとなく二人だけで話す事を避けてきた。

タバコを吸い終わったリュウは、トモはきっとアユミの事を話したいのだと思いながら席を立った。

「久しぶりに飲むか?」

「いや…夜のうちに車で実家に帰るから。」

「そうか…。じゃあやっぱ飯だな。」

(アユミに会いに行くんだな…。)



撮影スタジオを出た二人は、どこに行こうかと考えた。

よく考えたら、酒も飲まずに二人で食事だけをするのは久しぶりだ。

もしかしたら、ロンドンに行く前以来かも知れない。

「そうだ…。久しぶりに、ファミレス行ってみるか?昔よく行ったじゃん。」

リュウがそう言うと、トモは一瞬驚いた様子を見せた後、おかしそうに笑った。

「いいな。なんか懐かしいし。」

「だろ?よし、行くか。」


近くのファミレスに入ると、店の奥の目立たない席に案内された。

それぞれに料理を注文して、ドリンクバーで飲み物を注いで席に着いた。

タバコに火をつけ、お互いにしばらく黙ったままでアイスコーヒーを飲んだ。