幸せの定義──君と僕の宝物──

「そういうのな…慣れてねぇから、苦手なんだよ。まともな恋愛してねぇから…。」

「えっ?!恋愛って…オレ、好きな子にメールしろとか言ってないよ?相手、ハルちゃんだろ?普通にメールすればいいじゃん。」

「あ…そうか。」

恋する思春期の男子のように焦るリュウを見て、ユウは思わず吹き出した。

(なんだ、リュウのやつ、もしかして…。)

「なんだよ、ユウ…。」

「いや…リュウも意外とかわいいとこあんだなーってさ。」

「なんだそれ…。」

リュウはまた照れ臭そうにビールを煽った。

「ハルちゃんの写真とかある?」

「ああ…見るか?」

リュウはスマホの画像ファイルを開いて、ハルの写真を画面に映し出してユウに見せた。

「へぇ…かわいいじゃん。」

「だろ。ちっちゃい頃はずっと一緒にいたんだけどな。オレがロンドンにいる間にすっかり大きくなってさ…。今じゃ立派な女子高生だ。」

「それだけオレらも歳とったって事だな。」

「確かにな。あん時ハタチだったオレはもう33で…2歳だったハルは、まだ15だもんな…。ハルは今でもまだオレの歳の半分以下だ。」

「若いな…。でもいつかは大人になるよ。」

「その頃にはオレもオッサンだな。ハルのやつきっと、オレになんか見向きもしねぇよ。」

ハルの事を身内だとかまだまだ子供だとか言っていたはずなのに、今のリュウは、知らないうちに大人びていたハルを、ほんの少し意識し始めているのではないかとユウは思う。

ユウの目にはリュウが、まっすぐに想いをぶつけてくるハルに戸惑い、その想いを受け入れる事をためらっているように見えた。

(リュウはホントにハルちゃんが大事なんだな…。大事だから変えられない関係とか、保ちたい距離とかあるんだよな…。)