幸せの定義──君と僕の宝物──

「ハルがな…一緒に寝るって聞かなくってさ…一緒にベッドに入ったんだけど…。」

「えっ?!」

いくら身内とは言え、相手は小さな子供でもないのにと、ユウが驚いた顔でリュウを見た。

「あ…いや、一緒に寝たって言っても変な意味はねぇぞ?ハルはまだ15だし…身内だし…。」

「あ…ああ…うん…。」

ユウは落ち着きを取り戻そうと、ビールを一口飲んだ。

「一緒に横になったらさ…ハルがしがみついてきてな…なんかあったか?って…。なんも言わなくてもオレが元気ない時、ハルにはわかるんだってさ…。」

「へぇ…。」

「ハルがな…大人だってつらい時はつらいって言っていい、泣きたい時は泣いていいって言うんだよ。そうしないと、オレがずっとつらいままだからって…。」

リュウはタバコに口をつけて、静かに煙を吐き出した。

「聞いてくれる人がいないならハルが聞いてあげるって…泣きたい時はハルが抱きしめてあげるってさ…。オレを抱きしめてさ…ガキのくせに生意気だろ?」

「へぇ…。いい子だな…。」

「小さい頃も今も、ハルはハルだなって…なんか嬉しくてさ…。ハルの手握ったらあったかくてな…久しぶりにぐっすり眠れたわ。」

リュウは少し照れ臭そうに笑って、グラスを傾けた。

「だけどさ、起きたらハルはもう帰った後で…あれからなんにも言って来ねぇから、なんか気になってさ…。」

「学校とか勉強とか…友達との付き合いとか…女子高生も何かと忙しいんじゃないのか?」

「いつもは用なんかなくても、しょっちゅうメールとか電話とかしてくんのにな。」

「そんなに気になるんなら、リュウから連絡してあげればいいじゃん。」

ユウが事も無げにそう言うと、リュウは頭を抱えた。