幸せの定義──君と僕の宝物──

シャワーを浴びた後、着替えを持って来ていないハルのために貸したリュウの部屋着はあまりにも大きくてブカブカだった。

「これ、大きすぎる。」

「しょうがねぇだろう。ここにはオレの服しかねぇんだから。」

「じゃあ、シャツだけでいい。ズボン、大きすぎて脱げそうで気持ち悪い。」

「好きにしろ。」

ハルがズボンを脱ぐと、リュウのシャツはミニのワンピースのようになった。

シャツのすそから、ハルのすらりとした足が伸びる。

リュウは、ドラマなんかでよくある、女の子が彼氏の部屋に泊まる夜に大きめの彼氏のシャツを着るシーンを、不意に思い出した。

よく考えたら、ハルが一人でここに来たのも、泊まるのも初めてだ。

ハルのミニスカート姿なんて見慣れているはずなのに、いつもとは状況が違うせいか、リュウは目のやり場に困ってため息をついた。

「やっぱズボン履いとけ。」

「なんで?」

「シャツだけじゃ腹が冷える。」

「そんなに寝相悪くないもん。」

(目のやり場に困るとは言いにくいな…。散々ガキ扱いしてるし…。)

「そっちの部屋で寝ろ。今から布団敷いてやるから。」

「やだ。とーちゃんと寝る。」

「はぁ?一人で寝るのが怖いのか?やっぱガキだな。」

「ガキでもなんでもいいから、とーちゃんと一緒に寝る。」

(コイツ、言い出すと聞かねぇんだよな…。)