幸せの定義──君と僕の宝物──

「リュウトのバカ…天然タラシ…大嫌い…。」

リュウはハルの頭を撫でながら首をかしげた。

「バカでも大嫌いでもいいけどな。天然タラシって言われる意味がわからん…。」

「わざとじゃなくても、女の人になら誰にでも優しくしてその気にさせるんでしょ。無意識に異性をタラシ込むの。そういうの、天然タラシって言うんだよ。」

リュウはぼんやりと、アユミと付き合い始めた頃のトモに、天然タラシのリュウには今度の彼女は紹介しない、と言われた事を思い出した。

(あー…昔トモにもそんな事言われたな…。)

「ハイハイ…天然タラシで結構。だから今日は黙ってタラシ込まれとけ。」

「大人ってズルい…。」

「そんだけ大人は大変なんだよ。」

リュウはハルの頭をポンポンと優しく叩いた。

「だからハル、無理して急いで大人になろうとすんな。ゆっくり大人になればいいんだ。」




それからデリバリーのピザを頼んで二人で食べた。

「料理とか…作ってくれる人、いないの?」

「いねぇな。ああ…そういやこの前、ユウが飯作ってくれたな。うまかった。」

「ふーん…。もしハルが御飯作ったら、食べてくれる?」

「まぁ、食うんじゃねぇか?よほどまずくなけりゃな。」

「…絶対おいしいって言わせてやる…。」

少し膨れっ面をしてピザを頬張るハルを見て、リュウは苦笑いをした。

(まずくっても食うんだろうな…。)