おじさんの手を離して、諒真さんの手を握る。




神父さんがなんたらかんたら言っているあいだ、あたしは5年前のことを思い出していた。




初めて学校で会ったときから、あたしはもしかしたら諒真さんに救いを求めていたのかもしれない。




無意識のうちに、心のどこかで、期待していたんだと思う。




諒真さんは、本当のあたしを見てくれた。





「それでは、誓いのキスを」




いつの間にか話は進んでいて、その言葉にハッとする。



諒真さんに肩を掴まれ、隣を向かされる。




「奈緒……」




あたしの顎に手を添え、微笑む諒真さん。




あたしは、あなたを一生愛すると誓うよ。





大好き。







「諒真……愛してる……」


「……よくできました。俺も、愛してる」





フッと笑った諒真と、唇が重なった………