諒真さんの顔が少し強ばるのが見て取れる。
「……で、だ。諒真、お前に礼を言おう」
「…………礼……?」
諒真さんが首を傾げると、男はあたしに視線を移して言った。
「その女を渡せば俺らと和解するという申し出が、大堂組からあってな」
「……まさか…………」
「まさかも何もない。そいつを渡せ」
あたしに向けられた視線に、冷たい汗が流れる。
諒真さんはあたしを庇うように前に立つと、男を見据えた。
「……断れば?」
「お前を殺す……と言いたいところだが、それじゃあつまらないからな」
ニヤリと不気味な笑みを浮かべた男は、懐から拳銃を取り出し、あたしに向ける。
「その女を殺す。そして大堂組にお前を引き渡す」
なんて卑怯な取引……!!
諒真さんの肩が怒りに震えているのが分かる。


