新幹線の高架下の柱に顔が浮き出たようなシミがある。 誰が手向けたか知らないが、花が供えられていた。 きっと事故死した遺族が供えたのだろう。 老婆がシミに話し掛けていた。 ニコニコと笑いながら、楽しそうに会話していた。 何を思ったのか老婆は、柱に向かって走り出し、頭から激突した。 そして血を吹き出し、崩れ落ちた。 しばらくすると、顔のシミから上半身だけを出した黒い影が、老婆の砕けた頭を持ち上げ、シミの中に引きずり込んでいく。 何事も無かったように、静寂が辺りを包む。