「チビ助はすっこんでろ」
「ぴきゃっ!?」
亜市くんの頭を押さえ込んだのは、ビジュアル系の男の子だった。
亜市くんが身体から離れたその瞬間、私はよろけてその男子の胸に寄りかかってしまった。
今度は誰だ?
黒い髪の毛先だけを白銀に染め、唇の下に小さなピアスを付けてる。
仮面をつけたような美しい顔からは、感情や表情が読み取れない。
なんだこいつ、中二病?
「二年E組、時雨澤 馳(しぐれさわ はせる)だ。こんなのよりオレの方がいいに決まってるよな?オレの女になれ」
ったく、次から次へと……私は下校途中の小学生のランドセルか?!
早く解放されたいんだけど!!
「だ、だから!いきなり初対面の人に言われても困る!」
「榊は初対面でも、オレはずっと前から知ってるぞ?」
キョトン顔で私をじっと見る時雨澤。
だからなんだよ!!
「理由になってなーい!!」
思わず叫んでしまった。
訳わからん!馬鹿なのかこの人は?!

