「だーめ、榊ちゃんは僕の!」
もぎゅっと後ろから抱きついてきたのは、学ランの下にピンクのパーカーを着た男の子。
私より背が低くて、女の子みたい。
「二年B組の、島崎 亜市(しまざき あいち)だよ!榊ちゃん、僕の事、覚えてない?」
亜市くんは満面の笑みを向けた。
うわぁ……可愛い……
なんか、わんこみたい。
けど生憎、覚えてるどころか私は亜市くんと話したことなんて無い。
「入学式の時に一目惚れしちゃってさ。それ以来、ずーっと榊ちゃんの事好きだったんだ♪僕と付きあってよ!」
え、ひ、一目惚れ!?
こんな、私に?
やばいな。
リアルな男の娘っぽいショタに会ったのは初めてだから、どう返せばいいのか分かんないぞ?
「あ、いや、いきなり言われても……」
私らしくもなく、わたわたしてしまう。

