「睦月君、離してさし上げたら如何です?」
睦月先輩の手からひょいと解放してくれたのは、銀縁メガネがよく似合う真面目そうな人。
守るように、私の両肩に手を置いた。
どこかで見た事ある顔だな。
えーと、確か、名前は……
「榊さん、こんにちは。三年C組、生徒会長の生駒 明比(いこま あけび)と申します。」
ふっと柔らかい笑みを浮かべる先輩。
……ああ、生徒会の演説の時に体育館で見たんだ。
生徒会長はサラサラの髪を綺麗に撫で付けていて、物腰が柔らかいから、なんだか若い執事さんみたい。
ふう。
取り敢えず助かった。
「腕にあの野獣が掴んだ跡が付いてしまいましたね。消毒しなければ……」
ワイシャツの裾を少し捲って、私の腕を舐めようと、先の尖った舌を出す生徒会長。
は?!
消毒?!
頭湧いてんのか?!
「ひゃぁっ?!」
きゃー!変態だー!変人だー!この人もダメだー!誰か助けてー!

