「えーっと……」
あまりの出来事に身体が動かず、何もできずに立ち竦む。
「勿論、俺を選ぶんだろ?」
痛っ!
急に腕を掴んで引き寄せたのは……
「えーっと、三年A組の睦月 元馬(むつき がんま)先輩……?」
強気な瞳が、まっすぐに私を見る。
「お!俺を既に知ってるってことは、OKって事だな?」
何故そうなる?!
どういう理屈?!
ジャイ〇ンですか、あんた!!
「ちょっと、離してください!痛いです!」
この人、力加減分かんないのかな?!
喧嘩慣れしててそこそこ身体は強い方な私だけど、流石に痛いよ!
「照れるな照れるな」
「照れてませーん!」
ボクシング部で喧嘩が強い睦月先輩は、シルバーのピアスと右目の横の傷が印象的な人。
強くて野獣系の美形で有名だから知ってるだけ!
それなのに、先輩は腕を離してくれない。

