夏の恋は弾ける炭酸

裕樹くんが第一球を撃った。
だがその玉は狙い目を外れてかする。

二、三球目もただかすっただけで、残り二発になった。

裕樹くんは集中して、狙い目と撃つ距離を何度も確認している。


第四球目…狙いを定めた裕樹くんが放った。

その玉は狙い目に向かって一直線。
これ、もしかして行けたかも!?


そう思ったのもつかの間で、その玉は弾き返され、隣のお菓子に当りそれが見事に落ちた。


「くっそ…」


裕樹くんは悔しがりながらも、拳を握りしめた。


「裕樹くん…頑張れ!!」


私はただただ、そう心の中で祈ることしか出来ない。



裕樹くんに"奇跡"が起こりますように。