夏の恋は弾ける炭酸

その日から早二週間が経った。
今日は待ちに待った夏休み前の終業式。

嬉しいようで、嬉しくないようで、あまり喜べない。
夏祭りにも誘えていないし、どうしよう。



終業式が終わり、まだ昼過ぎの放課後…
生徒が皆はしゃぎながら、友達と楽しそうに話ながら帰宅している。


私はもらった大量のプリントが入ったクリアファイルを、机の中から取り出して、それを躊躇なくカバンにしまっていく。


私がもたもたしていたからなのだろうか。



帰る支度を終えた彼が教室から出て行った。






まだ夏祭り誘えてないや。


私は一気に悲しくなり、涙を堪えるように上を見上げる。


好きなのに、自分の想いが伝えられないなんて、辛いね…。





ドラマや映画を見てると、片想いの主人公に、どうして今言わなかったんだろう…。


今自分の想いを伝えたら、くっつけたのに。



なんて思っていたけど、いざ自分の立場になると
そのドラマや映画の主人公みたいに、上手く言えないや。



他人事じゃないね。