ユメセカイ

「どうだ、通じるか」


………………ええええっ!



なんで、日本語!喋れたの!


私は大きく頷きながら「え、え、ええ、どうして日本語わかるんですか?」
さっきまで全く聞き取らなかったのが嘘のように通じている

「この魔法は表面的なものだからお前にも効いたな」

さっきの石に向かって唱えていたのは、やはり魔法だったのか。魔法陣が出ていたし
魔法なんてもちろん生まれて初めて見るから、つい興奮してしまう


「すごいです!魔法が使えるなんてすごい!魔法って通訳もできるんですね!とにかくすごいです!」


もっぱらすごいとしか言えてないが、もうすごいとしか言いようがないよ。
本当に、凄いんだから


夢の中では、いつも言葉がわからなかったから、初めて通じた喜びも相まっていたかもしれない


「お前、魔法を知らないのか?
ミモザじゃないのか?」

ミモザ?

ミモザってミモザラと似ている。
語尾にラがついただけだ

もしかしたらミモザラのラは、様とかそういう今だったのかな


ってか、この人もやはりミモザと私を間違えている


ここはライオンに食べられた所とは違う世界じゃないのかな。
もしかしたら、森の中、気絶してしまった後にここ の家の人が助けてくれたのだろうか

色々聞きたいことがあるが、うまく言葉に纏められないから、さっきの質問に答えよう

「魔法、知らないというか、初めて見ました。
私はミモザではないと思います。髪の色が同じだけなんです」


「そうか。では、お前の名前は?」

名前、は小野信子だけど信子までは言いたくない。こんなダサい名前は公言したくない。
学校でだっていつも小野ちゃんって名字であだなついているし


「小野です」

だから名字だけ教えた


「オノ?珍しい名だな。じゃあオノ、何故森の中にいた?」


森ってことは、やっぱりこの人があのライオンから助けてくれたのか


あんな強そうな角の生えたライオンを追い払えるなんて、すごい。
魔法で蹴散らしたのだろうか




それから何度も質問攻めにあって、此処は私にとって夢の中であることは伏せ、気づいたら森の中にいたていで答えた

どこから来た?という質問には、現実からです何て言えるはずもなく、よく覚えてないんですと答えた