ユメセカイ

すると、小テーブルの上に置いてあったティーカップにポットの中のものを注ぎこちらに持っきてくれた


怖い人だと思ったけど、優しい!

警戒してごめんなさいと心のなかで謝罪し、ティーカップを受け取る


綺麗な模様が入っているティーカップ。

素養のない私にも、このティーカップが高いことがわかる


そのティーカップの中の茶色い液体から、香ばしい紅茶の香り


飲んでみると、柑橘系の茶葉なのか程よい酸味と、紅茶独特の渋みが口一杯に広がる

美味しい…


思わず顔がほころんでしまいながらも、紅茶を最後の一滴まで飲み干した

飲み終えたカップをお婆さんに手渡したとき

扉が開く音がした



さっきの若い方の人が戻ってきたのだろうか?


視線をお婆さんから扉の方へ移すと、そこには




輝くような白髪に、整った顔立ち、大きな切れ長の瞳はアメジストのような紫


未だかつて見たことのないような美形、イケメンと呼んではいけないのではないか、言葉では言い表せない程の超絶スーパーな男の人が入ってきた


ケープのついた燕尾服というのだろうか?美しいボルドーカラー。
まるで王子様のようだ

お婆さんが深くこの美しい人に向かって深くお辞儀をし ていた。

見た目通りかなりのお偉い人なんだね



私もお辞儀した方がいいのだろうか

ベッド座っているためお辞儀をしてみてもただ頭を伏せたような感じにしかならない

「ネハマナサミヤワ」

「サユマナ、ナカニハミシヤ」

お婆さんの方はこの会話で去っていった


きっと
「下がっていろ」
「はい、かしこまりました」

みたいな会話だったのかな


お婆さんが去ってしまったので、今度はこの美しい人と2人きりになってしまった