ユメセカイ

守る?人間を守っている?


人間と契約でもしない限り、普通は魔獣は人間を襲う

この野獣たちには、見たところ契約の印の額の魔法陣がない

それ以外に魔獣を従えられる人なんて、1人しか知らない

と言っても、実際に存在していたのかは定かではない。
もしかしたらただの作られた伝説なのかも


かつてこの国を、この世界を不思議な力で、誰も手をつけられなかった魔獣をも契約なしで従えた力で救ったという




女神ミモザ



その美しい容姿と類稀なる美しい黒髪は人々を魅了し、人間を心身ともに癒し救ったと伝説では語り継がれている


まさかそんな人がここにいるわけはない。
あり得ない

兎に角、早くあの人間を救おう


と近づくと、一斉に魔獣達が襲って来た


魔獣8体。
これは俺の魔法なしでもゲラリウムだけで倒せそうだな


速いスピードで相手の攻撃をかわし、突進をお見舞い

爪で深く引っ掻き、突き飛ばす

馬ではあるが、足には獣のように鋭い爪がついている


あっという間、なんせスピードは世界一なんだ。
一瞬で魔獣を蹴散らし、人間の方を見る
あれだけの魔獣に囲まれていたんだ。
きっと重症だろう


「はっ…」

すごい美少女が、長い黒髪の美少 女が倒れていた



この顔は、教会の銅像や壁画、伝記などでよく見た




女神ミモザ……


まさか本当にあのミモザがいるとは


驚きからか、動悸が激しくなるのを感じる


もしかしてさっき聴こえたのは、ミモザの歌声?


ゲラリウムから降り、ミモザに近づく

目を閉じていてもわかる大きな目、そして程よく高く形の綺麗な鼻に小さく整い、ぽってりとした唇に、きめ細かく白い肌、そしてサラサラに艶めく黒い髪


どこを見ても非の打ち所がない、美しい娘だ

怪我は、でこにたん瘤さらにそこから血が出ている

これは痛そうだ


「トリロメッラカラフコメントランセドレ、ヒスラビエナユメソトニアレヌフ」

傷を癒す呪文を唱え、手をデコにそえる


だが、傷が癒えない


「トリロメッラカラフコメントランセドレ、ヒスラビエナユメソトニアレヌフ!」

今度はさっきよりも魔力を込めた


しかしやはり癒えない