ユメセカイ

教会の裏まで、まるで忍者が隠密に忍び込んでいるかのような動きで行った

まあ誰もいなかったんだけどね


教会の裏まで行くと、目の前には森が広がっていた


あれ、この森も見覚えがあるような?


前に見たただひたすら森の中を歩いていた夢を思い出す



まさか、森違いだよね


おそるおそる森の中に足を踏み入れる


あのときは明るかったけど、今は夜の森なのだから、幾分怖い


すぐに教会に戻ってこられるように、森の中真っ直ぐ歩いて行ってみる


やっぱり、あの夢の中の森と同じだと思う


ここに来たのは夢では2度目だと思っていたが、実は3度目だったの?

そうしたら3回連続でここの世界の夢を見たことになる

たまたまじゃなさそう

本当に異世界へ来てしまったのだろうか

なんか段々怖くなってきた

しかもここは夜の森の中

それでも戻りたくなく、この森を進みたいと思うのは何故だろう

怖さを紛らわすために歌を唄いながら歩こうかな



「こ~こ~は~♪
どこですか~♪
ここは~ね~♪
森の中~♪
わた~しは~♪
誰でしょか~♪
わたし~は~♪
の~ぶこちゃん♪」

変な歌
こんなの誰かに聴かれたら恥ずかしすぎて1ヶ月くらい引きずって落ち込ん でそう


幸いこの森の中に人影はないものね


ガルーッ…


突然の音に驚いた


何だ、私のお腹の音かな


お昼ごはん食べたばかりなのに、もうお腹空いたの?
いや、夢の中ではさっき食べたことにはならないか


ああ、ややこしい


にしても大きい音だったな

授業中に鳴ったりしたらきっと恥ずかしいだろうに
今で良かったよ

ガグルゥッ


あれ、また鳴った



でもこの音は、後ろから聞こえたような…?

おそるおそる、心臓をバクバクさせながら、スローモーションになっていたと思う。
振り返った