「でも早退した方が良いんじゃない?
顔色悪いし…

まだ体調悪いでしょ?」


「……ちょっと…」


「じゃあ早退した方が良いよ
あたし教室に鞄取ってくるから待ってて」


「い…良いよ黒木さん
僕…自分で取ってくるから……」




急いで保健室を出て行こうとする黒木さんを止めようと立ち上がると

思い切り眩暈がした


ファーストキスまだなのに

床とこのままじゃファーストキスだなぁ

…最悪な思い出として残ってしまいそうだ


そう思っていると





「やっぱり待ってなよ」





僕の腰を持って倒れるのを防いでくれたあの子が目の前にいた

僕は急いであの子から離れて思い切り咳きこんだ


心臓…本当に持たない





「じゃあ待っててね白羽くん
無理しちゃ駄目だよ」





まるで海にでもいるかのように

爽やかに去っていくあの子



僕はぎこちなく頷いた