「おじちゃんのお蔭だよ!ありがとう」
「いやいや
キミが頑張ったからだよ
おめでとう」
執行猶予中だと言う彼と彼女
罪は一生ついて回るだろうけど
ふたりならきっと幸せになれる
「幸せになってくれよ!
…そうだ
これを渡そうと思っていたんだ」
「ありがとうおじちゃん!
開けても良いかな?」
「良いとも」
幼い頃は滅多に見ることのなかった笑顔を浮かべ
彼はラッピングを外して箱を開ける
「うわっ綺麗!」
「本当ね……」
箱から彼が取り出したのは砂時計だった
真っ白な砂がこぼれ落ちて行く
「この砂時計が時を刻むように
キミたちにも幸せと笑顔が訪れると良いね
…いや違う
キミたちだけじゃなく
新しい家族にも幸せと笑顔が
訪れるようにね」
きっとキミたちなら
幸せになれるはずだ
わたしはそう
信じているよ
【END】


