数年後
定年退職した医者は
かつて勤めていた病院前で
ラッピングされた箱を片手に立っていた
「おじちゃーん!」
走って医者の前にやってくるのは
かつて自分が診て
苦しんでいた彼だった
「走れるようになったのか!」
「うん!
おじちゃんのお蔭だよ全部
おじちゃんがドナーを見つけてくれた
お蔭だよ
本当にありがとう!」
医者としての仕事をこなしつつ
頑張ってドナーを探した甲斐があった
お蔭でかつて殺人を犯し
発作で苦しんでいた彼が元気になった
「あとおじちゃん紹介するね
僕の彼女!」
「初めまして
彼から話は聞いています」
彼の隣に立つ綺麗な女性
そのお腹は少し目立ち始めていた


