再び小突いてきたミホちゃん。

びっくりして顔を上げると、不意に服部くんと目が合った。



「……、っ!」

「……、」



視線が絡んだのは、ほんの一瞬。


ふ、と逸らされたそれ。

がやがやと騒がしい男の子の集団が去っていく。

少し静かになった廊下に残されたのは、行き場をなくした虚しさ。


明らかに目が合ったのに。

あれは、無視されたってことでしょうか。

そういう解釈でいいんでしょうか。


……なんていうか、これは。

ちょっと寂しい。


わたしのずたずたの心臓に、



「……全っ然、付き合ってるようには見えないんだけど」



ミホちゃんは、とどめを刺した。