「俺も、もっと話したいし、もっと石川のこと見てたいし、……一緒にいたい」
そばの道路を車が走っていった。
ゆるやかに風が吹いて、少し排気ガスの匂いがする。
とうとう心臓は悲鳴をあげた。
しゅう、と顔は焦げた気がする。
だけど。
目の前にいる服部くんの顔だって、夕日よりも赤いことに気付いた。
わたしだけじゃないんだって思ったら、安心して。
すごく、すごく、嬉しくなる。
「……そ、そっか」
「……うん」
「そっかー……」
「うん」
しばらく、何も言えなかった。
ただお互いに、顔を真っ赤に染めて頷くだけ。