暑さが迫ってくる
初夏の夕方
仕事を終えて
会社のビルを出る
愛果は空を見上げる
青空が見えた
ハルは今頃
スタジオで練習かな
ビルの前には
仕事を終えたサラリーマンや
遊びに来た人達が
行ったり来たりしていた
その人達の流れに逆らわないように
流れに乗る
そして少し歩いた先にある
地下鉄の駅の出入り口に入ろうとした
今日は週末
楽しそうに話をしながら
歩く人を見ていたら
ちょっと自分もって
そんな気持になった
CDショップ覗いてこようか
ハルの演奏している
CD見てこようかな
もう少し前に買ってしまったんだけど
なんだか彼に会えるみたいに
感じる
ついでに何処かで珈琲でも
飲もう
それから服やアクセサリーも
見に行こう
ハルに会う時に着ていきたいな
そんなこと考えてたら
すごく幸せな気分になった
二人の気持ちを確かめ合ったあの日
新幹線のホームで指輪を貰った
あれから一月が経つ
時々ものすごく逢いたくなって
どうしようもなくなる
新幹線のホーム
高速バスのターミナル
何度行こうとしたか
でも駄目だった
だって
貴方には笑顔で逢いたいんだ
貴方以外にはもう
逢いたくない
考えられなかったんだよ