風が 風が吹いた ……懐かしい香りがした。 トクン 心が温かく鳴る。 ……ありえないよ。 もう、ここにはいないんだから。 何時かの背中が瞳の奥に映った。 そう思ってるのに、心臓の音は大きく、速く鳴る。 心の中の何処かにある希望を探し出して 思いきって、顔をあげる。