パっ

電力が戻ったようで、照明が点いた。

え?まじ?
ナニ?この素敵なタイミング。

安心しきってすっかりイケメンに戻ったアオは、満面に笑みを浮かべて透子を振り返り…


「よかったネ、しーちゃん。
電気点いっっっっっ!!??」


またも顔を引きつらせて、後退った。

ブサメン、リターン。

でもね?

そんなのは些細なコトだから。
気にしてらンないから。

だって、座っていたはずの透子が、いつの間にか、音もなく、棒立ちになっている。

項垂れ、頬にかかる黒髪で顔を隠し、両手をダラリと下げて…

ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ…

ギャァァァァァ!!??
の──ろ──わ──れ──たぁぁぁぁぁ!!??


「しーちゃん!?しーちゃん!?
嘘だよネ!?」


蒼白になったアオが、透子の細い肩を掴んでガクガク揺さぶるが…

ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ…


「しっかりして!
しっかりしろって!なぁ!!」


もはや半泣きのアオが、ガクガクガクガク揺さぶるが…

ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ…


「嘘だろ!?
こんなんねェだろ!?
なぁっ!?シズ」