「当然だろ?
扶養義務ってヤツだろ?
どっからどー見ても、無責任なクズヤローじゃん」


「ソレを言うなら、母も似たようなモンだったと思う」


「は?なんで?」


「それなりに裕福な暮らしをしてたのに、母は生命保険に入ってなかったし、貯金もしてなかった。
父を金蔓だと割り切って、一生ブラ下がる気でいたンじゃない?」


「…
なんつーか…
相変わらず身も蓋もない、客観的な分析だねェ…」


「そんなコト言って。
どうせその辺も、調査済みなクセに」


「ナンノコトデショウ?
じゃあね、じゃあね、次は」


「アオは?」


「へ?」


「アオは?どんな人?」


「…
俺のコトが気になる?」


「うん」


「…
君を拉致した犯罪者だから?」


「んー… まぁ、ソレもあるケド。
ドコの国の人カナ、とか。
流暢に話すケド、どれくらい日本に住んでるのカナ、とか。
毎日プラプラしてるから、ひょっとして自宅警備員なのカナ、とか…」