「っっっどぅわっ!?
シ…シズ…放して、放してェェ///」


いつの間にか頬を伝っていたあたたかな感触に狼狽え、アオは慌てて顔を背けたが…


「隠さないで。
見せて」


ますますシズクに引き寄せられ、ついでに目元を拭おうとした手までギリリと掴まれる。

やっぱ彼女、意外と力が強い。


「ちょ… 勘弁して。
俺、恥ずかしィィィィィ///」


「ほんとだ…
ただ球体になっただけの不純物を多く含む水は、とても綺麗だ…」


「は?ふ…不純物?
や、確かにその通りだケド、そのたとえはあんまりじゃない?」


「そう?
じゃあ、アオが私のために流す涙は綺麗だ」


「っ//
ぁぅぉわぉぅぉぅ…//
俺、ほんっと恥ずかしィィィィィ///」


あー… だろうね。

感極まって泣いちゃうとかね。
さらに、泣き顔バッチリ見られちゃうとかね。

さらにさらに、涙を綺麗だなんて言われちゃうとか…

ヒロインじゃねーか。

もう死ねる…


「アオにとって私は、普通の女のコなの?」


あまりの羞恥に消えてしまいたいアオをガッチリ捕まえたまま、シズクはいつも通りの落ち着いた口調で訊ねた。