その嘘に踊れ


なんなの?
なんでそんなに、ストーカーが気になンの?

まさかアイツも、なんかの仕込み…

いやいや、アレも正真正銘のガチだった。

シズクのマンションの向かいに建つ一軒家に住む30代ニートのPCは、盗撮されたシズクの画像でいっぱいだった。

そのPCを乗っ取ってやって。
自作の洗脳プログラムをインストールしてやって。
催眠状態にしたニートに延々と見せてやって。

精神に異常をきたして泡を吹き、救急車で運ばれたトコロまでは確認したが…


「さぁ?
半年後には、ストーキングもニートも恥ずべきコトだと理解できる常識人になって、立派に社会復帰するはずだケド?」


浅黒い手で髪を掻き上げたアオは、面倒臭そうに結果だけを語った。

すると視線を逸らしたオタが、苦々しげに舌打ちする。


「…チッ
殺さなかったのかよ…」


え?
殺しちゃうのが正解だったの?

するとヘーゼルの瞳をキラキラと輝かせたデイジーが、勝ち誇ったように叫ぶ。


「ほーら!ご覧なさいよ!
アタシが言った通り、殺さなかったでショ!?」


え?
殺さないのが正解だったの?

てか、正解とか不正解とかあンの?
クイズなの?

オタは悔しそうに舌打ちを繰り返している。

デイジーは得意気に小鼻をうごめかせている。

アオは…
理解に苦しむ様子で、そんな二人を見比べた。