その嘘に踊れ


デイジーは言った。


「小さな組織はあらかた片付いたわ。
残ってるのは、世界規模で暗躍している巨大組織ばかり。
今のアタシたちじゃ、まだ手が届かないの。
お願い、シズク、力を貸して」


おぉぅ…

ソイツはまじスゲぇや。

でもって、まじ困ってンだね。

別人になった私を捜し出すために費やした時間と労力を考えると、必死さがヒシヒシと伝わってくるね。

私は言った。


「だが断る」




でもね?
本当は迷っていたの。

だから受け取ってしまった。

『困ったコトがあったら、連絡しる』
なんて、オタが差し出したスマホを。

位置を特定できる機能が組み込んであると知りながら。

私の居場所はドコにある?

この、離れ難いぬくもりで溢れる世界?

それとも、私を必要とする死が充満する世界?

人間になりたい私の居場所は?

殺戮マシーンの業を背負う私の居場所は?

私は…

私は…

私は‥‥‥

アイデンティティーの迷路から抜け出せなくなった頃…

堕ちていく私を叱咤するかのように、またも悪魔は現れた。