その嘘に踊れ


身寄りがいる者たちは言った。


「故郷に帰るンだ!」


身寄りのない者たちは言った。


「夢だった記者(その他諸々)になるンだ!」


ちなみにコレは戦いの後なので、死亡フラグではない。

涙を堪えて抱きしめ合い、肩を叩いて励まし合い、互いの未来を祝福し合って、『Unnamed Children』は在るべき世界へ戻っていった。

だが、この死が充満する世界に残ると決めた者たちもいた。

デイジーは言った。


「まだ、多くの組織に隷従させられている『Unnamed Children』はいるわ。
そのコたちも助けたいの。
お願い、シズク、力を貸して」


ソイツはスゲぇや。

私は言った。


「だが断る」


デイジーもオタも、何度も私を説得した。
だけど私の考えが変わるコトはなかった。

だって私は、アオが住む、ただ球体になっただけの不純物を多く含む水を綺麗だと思える世界に行きたかったから。

殺すことも殺されることもない、愛し愛され名を呼び合える世界で生きたかったから。

懇願を振り切るように、私は彼らの前から姿を消した。

国を出たのだ。

もう一般人を暗殺の巻き添えにしないよう、ホームレス生活をする必要もない。

静かに、穏やかに。
誰も私を知らない土地で、地に足をつけて生きていこう。