その嘘に踊れ


どんな手を使おうとも、たかが『Unnamed Children』一人に私は殺せない。

組織が驚きのアホでも、そろそろソレに気づく頃だ。


(次は団体サマで襲ってくンだろなー…)


などとボンヤリ考えながら、覚えたての紅茶とクッキーの味を堪能していた昼下がり。

やっぱ来やがりましたよ。
二人組が。

最初にやって来た金髪青年と、二人目の黒髪少年だ。

おやつの時間を邪魔した罪で、熱々紅茶ブっか刑に処してやろうか、コノヤロー。

ニコヤカに微笑みながらティーポットを構える私に、金髪は言った。


「返事をしに来たの」


と。


「アタシたちは人間よ」


と…

あ、そう。
ソッチを選んだワケですか。

なら、お茶しに来たお客サマですね。

私はブっか刑ではなく、ちゃんと彼らに紅茶をふるまった。

『デイジー』と名乗った金髪は、やたらクネクネと動いて女言葉を喋った。

『オタ』と名乗った黒髪は、チラっチラ私を見ながら「モエ」とか「ヨメ」とかボソボソと呟いた。

茨の道を選びすぎだろ、と思ったが、ツッコむのはよそう。
それすらも、人としての彼らの自由なのだ。

穏やかに紅茶を啜りながら。
和やかにクッキーを齧りながら。

二人は私に、物騒な協力を願い出た。