その嘘に踊れ


グイグイくるチビっコを前に、悪魔は眩暈を覚えたようにグラグラと揺れた。

よし、効いてる。
後ひと押しだ。


「『アオ』。
お兄ちゃんのお名前。
目が青いから」


フっ

フハハハハ、どうだ!
超勝手に、超テキトーな名前つけられたゾ、貴様!

さすがにウザいだろう!
てか怒るだろう!

帰れ!
帰って便所飯食ってろ、フハハハハハ…


「じゃあ…君は…
『シズク』」


…ハ?

プツン

正常に作動していた兵器の思考回路が途切れる音がした。

リカイフノウ…


「『シズク』?」


「うん。
雨の雫、君の周りで、キラキラして…
とっても、綺麗だ」


「雨の雫…キレイ?」


リカイフノウ…

私が『シズク』?
雨の雫が綺麗?

私は濡れた髪に触れ、手に滴った雨粒を見て首を傾げた。

こんなモノ、ただ球体になっただけの、不純物を多く含む水ではないか…