その嘘に踊れ


だが、ホームレスってのも…

あの年であの容姿なら、ちょっと媚びを売れば贅沢な暮らしをさせてくれる変態金持ちがわんさと寄ってくるだろう。

だが、犯罪者ってのも…

あの年であの容姿なら、どっちかっつーと被害者側に回ってしまうだろう。

うーん…

なんだろ、アレは。

まぁ、わからなくても問題ないケド。
するコトは変わらないケド。

早々に退散するなら、それで良しとしよう。

退散しないなら、殺してしまおう。

私はコンクリートの隙間から一旦上へ戻り、再び階段を使って下りていった。

わざと脆くなったコンクリートを崩して。
わざと子供らしい笑い声を上げて。

そして…


「あれ?お兄ちゃんも雨宿り?
この上はもうダメだよ。
天井がなくなってるの」


と、無邪気を装い、わざと日本語で少年に声をかけた。

そもそもその年頃の男子が苦手とする、やたら人懐っこいチビっコ。
加えて理解不能な言語。

ウザいだろう、そうだろう。

とっとと帰れ。

なのに少年はキョトンとしたまま。


「コノ上、ノー、ノー!
天井、ノー!
雨、降ッテルヨ!」


今度はどうだ?

リズミカルでウザさ倍増だろう、そうだろう。

とっとと帰れ。