ゴンっ


「痛っ」


「大丈夫?」


大丈夫。

あおりに頭ブツけたケド、君が無事なら全ては大丈夫。


「エヘヘー
ちょっと失敗しちゃったケド、平気ー」


片手でシズクを抱いたまま、もう片方の手で後頭部を撫でながら、アオはヒョイと上半身を起こした。

脱出成功だ。

ちょっと失礼なくらい、彼女を頭から爪先まで眺め回すけれど…

うん、ケガはないみたい。

ないみた‥‥‥い?

めくれ上がったプリーツスカートから覗く、その小さな膝小僧。



擦りむいてマセンカ?


「ギャァァァァァ!!??
しーちゃん!?血が!?膝が!?
ごめん!!ドコかに当てちゃった!?」


顔面蒼白、まさにソレ。

浅黒いハズの顔を真っ青にしたアオが、大慌てでシズクの膝にフーフー息を吹きかける。

いや…
そんなんで治りゃ世話ねェよ。


「ドコにも当たってない。
てか、今ケガしたわけじゃない」


「じゃ、いつ!?倉庫の中で!?
ひょっとして撃たれちゃってたのぉぉぉ!?」