ある日突然姿を消し、生きているのか死んでしまったのかもわからないままになっている子供たちは、世界中に大勢いる。

彼らはドコでナニをしているのだろう。
どんな末路を辿るのだろう。

人知れず屍になる。

切り刻まれ、パーツとして売買される。

性の玩具になる。

それから…

人としての尊厳を奪われ。
名を奪われ。

無機質な番号をつけられ。

組織に命じられるがままに踊る、意思を持たないマリオネット…

『Unnamed Children』になる。

彼らは最低限の技術だけを教わり、最低限の情報と最低限の武器を与えられ、危険な任務に就かされた。

まぁ、上手くいくワケがない。

死体の山が築かれる。

それでも組織は、彼らを工作員として育てる気はなかった。
むしろ、育ってほしくないと思っていた。

自分たちと並び立つほど成長した『Unnamed Children』に、反乱を起こされては困るから。

駒がいくら倒れても、ゲームに勝てればそれでいい。
失った駒はまた補充すればいい。

パチンコ店のビジネスマンが言った通り、組織にとって『Unnamed Children』は、まさに使い捨てのポーンでしかないのだ。

だから『Unnamed Children』は、残酷な世界で生き抜くすべを自力で学ぶしかなかった。

殺される前に、殺せ。

騙される前に、騙せ。

手段を選ばず、死に物狂いで命を勝ち取れ。

そして、誰かの屍が足元に転がる度に…

彼らの身体は生を得、心には死が訪れた。