悲鳴…ではなく雄叫びを上げたデイジーは、その声に驚いてビクっと身体を揺らしたアオの手を握って走り出した。
アオが出てきた路地を戻り。
アオがいた商店街に入り。
周囲の注目を浴びながら、アオを引きずって全力疾走。
「おい、放せ」
「アタシ!アメリカ生まれだから!わかるの!
今のは銃撃よ!!」
「だな、わかってる。
放せ」
「どぉぉぉしましょぉぉぉぉぉ!?
この前フったチビハゲオヤジ、ヤクザだったンだわ!
ジャパニーズマフィアの逆襲なンだわ!!」
「や、ソレはナイ。
放せ」
「イヤよぉぉぉぉぉ!?
か弱いアタシを守ってよぉぉぉ!?
守って、守られて、生まれた恋を育みましょぉよぉぉぉぉぉ!!??
どーせフリーになったンだからぁぁぁぁぁ!!」
いったいドコが『か弱い』の。
こんなに人がいるのに、走りやすいでショ?
叫びながら爆走する君が怖くて、みんな逃げてるからだよ?
もはや牛追い祭りの様相だよ?
それに、たとえフリーになっても、君との恋はご免デス。
ケツ穴が大事なんデス。
でも…
まぁ、イイか、とアオは思う。
この人混みにアイツらが紛れていたとしても、こんなに目立ってちゃ手出しできないだろう。
クライアントとの面会と、依頼の遂行。
それをスムーズに進めるために、現時点での捜査機関の介入は、避けたいハズだから。



