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考えれば考えるほどあの少年に惹かれていって


他になにも、考えられなくなって









気づけば私は、

また、屋上に来ていた。






広い広い屋上。


澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込むと











「久しぶり。」





聞き覚えのある声がして私は振り返った。








「最近、来なかったね?」






フェンスに寄りかかってそう笑う彼に夕陽が降り注ぎ





漆黒の髪が橙に染まる。







「なんか、悩みごと?」



そう言うと彼は私の手をそっと取った。








「そのもやもや、僕が解消してあげようか?」




彼はそう言って妖艶に笑う。







トクン、と思わず胸が跳ねた。












彼の赤い唇が私の手の甲を掠め、熱をもつ………。