「………え。」 乾いた唇からは 掠れた情けない声だけが出た。 「どうして……。」 思わず漏れた声が 時を漂う。 どれほどの時が経ったのだろうか。 少年は静かにイスをひくと 背を向けてカーテンの向こうへと 消えていった。