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一さんの葬式の日、








優菜は、一度も泣かなかった。








泣き虫なはずの優菜が、




一筋も


涙を、こぼさなかった。








でも、優菜は俺を見て、ひとこと






「人殺し。」





ただひとこと、そうつぶやいた。







優菜のその言葉に、



優菜が、あの日の出来事の、一部分を、見ていたのだと俺は気づいた。











でも、大丈夫だろう、と思った。





優菜は話せばわかってくれる。と。



まだ、時間はある。と。




















…………―でも、俺達に“明日”はなかった。






次に優菜にあった時には






優菜は、


俺のことを


俺のことだけを


わすれていた。












それは、まるで、俺を拒絶するかのようだった…………―