一さんが、キンモクセイを追ってフェンスを超えた。 「優乃…っ!」 その声を最後に、一さんは闇夜の中へと消えていった。 「………っ、お父さんっ!!」 ずっとずっと伝えたかった 言いたかったその言葉は、 一さんに聞こえたのかはわからない。 ただ、その言葉は、 闇深くへと消えていった。 ❅ * ॰ ॱ