「ぼろぼろになった優乃の体を揺すぶって、泣き叫ぶ優菜を見て
あぁ、このままじゃいけないと思ったよ。
仕事ばかりじゃ、これからやっていけない…ってね。
俺が、優乃の分も、優菜を支えて、守っていかなければならない。
って。
そう、心に決めたよ。
………でも、そんな俺も、もう、こんなんだ。」
黙っている俺に、一さんは言った。
「なぁ、聖。お前は、優菜が好きだろ?」
いきなり言われたその言葉に、俺は紅潮した。
………まさか、バレていたとは。
そんな俺の様子を見て、
一さんは、嬉しそうに息を漏らして笑った。

