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優菜へ。





この手紙を優菜が読んでいるということは、俺はもうこの世にいないんだね。










………そして、聖の思いが届いたんだね。おめでとう。






もう、優菜は知ってるかもしれない。



それとも、聖はまだ、優菜には言ってないかな?













優菜にはつい強がって『もうすぐ退院できる。』なんて、言ってしまったけど









俺は、もう、長くは生きられない。

俺は、今日、余命が1週間と言われた。


自分でも、信じられないよ。




でも、この現実を変えることはできない。





ひとつだけ、優菜に伝えたいことがある。




すべての生きるものには限りがあって、

俺たちは、いつも誰かに生かされながら今を生きている。



泣いたって叫んだって

いつかこの日々に終わりが来るのは変わりなくて

例えば、それが残りの命が1日の人であろうと100年の人であろうと

1日の価値は変わらない。



いつ自分の生命が終わるかなんて誰にもわからないんだ。








だから、

今を生きて欲しい。



優菜がいるのは

過去でも

未来でもない。

今、この一瞬だから。




優菜は優菜のやりたい道を


本当にいきたいところを目指していいんだよ。




俺が、優菜がカメラマンになりたいと言うのに反対したら、

優菜は怒って、髪をミルク珈琲色に染めてきたね。




あの時は怒ったけれど、ミルク珈琲色の髪の優菜も悪くなかったよ。








俺は、カメラマンとして人生を生きてきた。


でも、もし優菜が“俺”という個人だけを思ってカメラマンの道を志したのなら、

それは違うよ。





本当に好きな道を

本当に望む道を

選びなさい。






いつでもそこで、俺と、優乃は

優菜を見守っているから。







優菜、星は……………








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