☪︎


˚




―チュンチュン







小鳥がさえずり


太陽の光がカーテンから漏れる。






いつの間にか寝てしまっていたようだ。





私はうーん、と伸びをした。






と、同時に




コンコンッ



とドアを軽く叩くおとがする。







「はぁい……」




と、寝ぼけ眼で扉を開けると





「芹沢ちゃん、また、なんかあったのか?」




心配そうな面持ちでリリーちゃんが入ってきた。




「なにも、ない。」


「じゃあなんで、芹沢ちゃんも秋雨くんもこんなに沈んでるんだ?」


「………別に。」




「なにがあったのか、知らないけど、

とにかく、話し合いなよ?


逃げてばっかじゃ何も変わらないぞ。」





「………嫌だ。」





話すことなんて、なにもない。








リリーちゃんはそんな私に


ふぅ、と軽くため息をつくと






「まぁ、話すことも考えといてな?」





それだけ言って部屋を出ていった。





なにもないよ………。





聖と、話すことなんて、なにもない。