「俺は……、俺は、妖に憑かれてたんだよ。




あの日、俺は本当は優菜を助けようと思ったんだ。


でも、間に合わなくて…………






気づいたら妖に心も体も侵食されて、優菜を突き飛ばしていた。




ショップでいった“あの子”も


俺が本当に守りたいやつも


みんなみんな、お前、優菜なんだよっ。




信じて…………。」








そう私を見つめる琥珀色の瞳に

陰りなんてなくて、





私は、ただ、こくりと頷いた。










「ごめん。」


「俺も、ごめん。」











私たちはただそれだけ言葉を交わすと


そのまま無言でリリーちゃんたちを探しに行った。