☪︎ ⋆ 。 ˚ ✩ どれほどの時が経ったのだろうか。 私が手をかざしていたはずのその場所には、 もう、なにもなく。 ただ、ベランダの床に 黒い鉛のような粉が落ちていた。 風が吹き、金木犀の香りが漂う。 その粉は、金木犀の風にさらわれて、 彼方へと舞っていった。